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特集

「旅する大学」の学びとは?

大正大学をヒモトク。

キャンパスで「理論」を学び、フィールドで「実践」する。
社会・地域が抱える課題を解決する人材へ。

少子高齢化による労働力不足や地域の過疎化が進行する一方、デジタル技術やAIの進化によって、情報を基盤とした超スマート社会が現実のものになりつつある。そのなかで、地域には多様な課題が生じている。大正大学は、そのような社会課題の解決に貢献する人材、すなわち「地域戦略人材」を数多く育て、社会に送り出してきた。「地域戦略人材」とは、「主体性」「コミュニケーション能力」「課題解決力」「多様な視点」を備えた新しいリーダー像を指している。こうした力を育むために、学生たちの学びの場は、教室だけにとどまらない。大正大学は、日本とニューヨークにエリアキャンパス・サテライトキャンパスを展開し、地域そのものを学びの舞台としている。学生たちは地域の人々と一緒になって、多種多様なことに挑戦していく。その経験と得られる新たな知識が「行動・実践」するための「生きた知識」につながっていく。大正大学は、この学びのプロセスを「旅する大学」と表現した。学問をすることは、旅をすることに似ている。日本や海外を学びのフィールドとしながら、理論×実践を旅した先には何が待っているのか。早速、ヒモといてみよう。

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取材・執筆

廣部 行彦

<ライター プロフィール>

リクルートにて11年間、大学・専門学校のブランディングおよび学生募集に携わる。大学職員を経て、2014年に広告制作会社Festival設立。現在は全国の大学や企業のアウター/インナーブランディング・タグライン開発、学生募集広報を手掛ける。1,000人を超える取材で培った経験を活かし、クライアントや取材対象の思いを引き出し、カスタマーの共感につなぐコピーライティングに強みを持つ。また、ブランディングの知見をさらに深めるため、大学院に在籍中。

学びをヒモトク

未来の日本に役立つ「情報科学部」

キーワードは「グリーン」と「文化財」。
国や地域のために、デジタルが貢献できることとは?

2026年、大正大学に情報科学部が誕生した。多くの大学が「ビジネス×データサイエンス」を掲げる中で、「グリーンデジタル情報学科」、「デジタル文化財情報学科」と、領域を絞っている。そこには、単なる「便利なIT人材」にとどまらない、これからの社会に役立つ学びを提供し続ける大正大学らしさがあらわれている。

グリーンデジタル情報学科は、情報技術をベースに、スマート農業や防災・減災など「自然や地域の課題」の解決をめざす。気候変動への対応や災害に強い街づくり、農業人口減少による食糧不足、地域資源の再発見などに直接役立てる可能性を秘めている。フィールドワークやデータ分析に興味があり、自治体や企業と一緒に社会課題に挑みたい人におすすめだ。

デジタル文化財情報学科は、文化財や自然遺産をデジタルと掛け合わせ、地域創生や観光に活かすことをめざす。文化財をデータ化することで現物の劣化や損傷を防止したり、災害の際に復元しやすくし、後世に継承することができ、教育、研究、観光・コンテンツ産業の活性化につながる。TOPPANが協力のもと学内にオープンするVRシアターを活用し、歴史や文化を「伝わる体験」として創造することもできる。史跡巡りや美術館などが好きで、ストーリーを発信したい人におすすめである。

共通するのは、これからの国と地域のために、プログラミングやAIなどの情報技術を実社会で活用できる力を身につけられること。いま学ぶ価値のある、注目の学部といえよう。

世界に広がる「学びのフィールド」

ニューヨークのサテライトキャンパスで、
日本の課題や価値を改めて見つめる。

日本の地域課題を考えるとき、国内のフィールドワークだけで十分なのだろうか。あえて海外に行き、異なる文化や価値観の中で人々の暮らしや感性にふれることは、日本の地域や社会を別の角度から見つめ直すきっかけになるはずである。

大正大学は2025年4月、ニューヨーク・ブルックリンにサテライトキャンパスを開設し、グローバルプロジェクト型の学びを推進している。例としては、日本の伝統や文化を発信する取り組みがある。学生たちは、ラーメンの試食会、筆文字をデザインしたファッションショー、現地デザイナーとのオリジナル商品の開発などを行い、日本の文化や感性が世界でどのように受け止められるかを学んだ。さらに、ニューヨークの広告業界や飲食業界などで活躍する日本人から話を聞く機会も得ている。参加した地域創生学科4年(取材当時)の和田さんは「文化が違えば感性も異なる。よく観察をして日常から思考し続けることが大切になる」と語る。

異なる文化や感性にふれるブルックリンでの学びは、世界への視野を広げるだけでなく、日本の課題や価値を捉える力にもつながっている。

学びにPOPな切り口を持つ「教員」

授業中の眠気、●●界隈、…
興味や好きを学問のおもしろさへ導く先生がいる。

勉強はおもしろい?そう聞かれて「はい!」と答える高校生は少ないかもしれない。でも、大正大学の学びは少し違う。自分の興味や楽しさを入り口に、社会とつながる学問を教える先生たちがいる。それを体感できるのが「ポプスタ(POP STUDY)」サイト。

例えば、「授業中の眠気」を人間科学科の内田先生は、単なる怠惰でなく、身体の仕組みや生活習慣の積み重ねから生じる現象として捉えている。食後に眠くなる身体の働きや睡眠不足、生活リズムの乱れなど、いくつもの要因が重なって眠気が起こると語る。また、最近よく聞く「●●界隈」という言葉。日本文学科の中川先生は、「界隈」は本来、「近所」の意味だが、SNSで趣味や関心のコミュニティから「ネット界隈」「就活界隈」さらには「風呂キャン界隈」という言葉まで生まれており、流行語の裏には遊び心や共感、拡散の仕組み、社会の変化などが隠れていると語る。

大正大学の先生たちは、身の回りにあるさまざまな出来事を社会とつながる学びに変えて教えてくれる。メディア表現学科 外川教授は「理論・知識の修得も重要ですが、『楽しいこと・面白いことをやりたい』という思いをまずは大切にしてほしい」と語る。

興味や楽しさをきっかけにして「勉強はおもしろい!」と思える日は、そう遠くないかもしれない。

生活をヒモトク

巣鴨も校舎もすべてが「キャンパス」

洗練された校舎と駅徒歩2分の立地。
街の教室やカフェなども第二のキャンパスに。

西巣鴨駅から徒歩2分、池袋からもバスで10分。都会にありながらも昔ながらの風情を残した巣鴨に大正大学はある。

広い敷地に洗練されたキャンパスが並んでおり、通うのが楽しみになる居心地のよさ。その中でひときわ目をひいたのが「伝統×創発」をコンセプトに2020年に誕生した8号館。フロアごとにテーマを持った図書館や、自習スペースとしても活用できる日本最大規模のラーニングコモンズがあり、学生たちが議論を交わし、集中して学ぶ姿が見てとれた。3号館には、撮影・編集・録音機材など、プロ仕様の機器が備わった本格的なスタジオがあり、映像制作を実践的に学ぶことができる。5号館には、元プリンスホテルの料理長が腕を振るうレストラン「鴨台食堂」があり、地域の方からも人気とのこと。

さらにキャンパスは、巣鴨の街にも広がっている。「すがもオールキャンパス構想」だ。巣鴨駅から大学まで続く約2kmの巣鴨3商店街の街なかを「第二のキャンパス」ととらえ、学生が地域や企業と連携しながら実践的な学びを深める場として、教室やカフェ、アンテナショップなどの施設を展開している。毎日が実践的な学びであふれるキャンパスは、入学を決めた理由としても挙げられており、大きな魅力であることに間違いない。

学修をサポートする「チュートリアル教育」

教室の中にもう一人の先生!?
教員×チューターのタッグで支援。

高校の授業中に「分からない」と思ったり、後になって「質問したいことが出てきた」「この課題はどう書けばいいんだろう」と悩んだりした経験はないだろうか。そんな一人ひとりの「分からない」「どうしよう」をそのままにせず、学生の学びと成長を支えていくしくみが「チュートリアル教育」だ。

一般的に大学の学修支援は、授業後のサポートとして行なわれることが多いのだが、大正大学では、授業中においても教員とともに専門的な訓練を積んだチューターがタッグを組んで、学生の理解度に合わせたフォローを実施している。授業後も質問対応や面談による学修アドバイスなど、手厚い支援が受けられるのが特長である。また、オンライン上でもLMS(Learning Management System)を通じて、学生による授業の振り返りに対してコメントやアドバイスを行なっている。

学生たちは、チューターとともに歩む中で、学び方を知り、自ら考え、学び続ける力を身につけていく。入学直後のいちばん不安を感じる時から、いつでも気軽に質問・相談でき、サポートが受けられる環境があることは、学生にとって強い味方となるはずだ。

最大年間120万円の「奨学金」

子ども食堂をオープンした学生も。
「やってみたい!」を奨学金で応援。

「奨学生チャレンジ入試」は、成績上位100名に奨学金が給付される(順位により金額が異なる。年間最大120万円)入試方式。入学後は、学業成績が基準を満たす必要があるものの最大4年間継続することができる。

一方で入学後に利用できる奨学金もある。「人材育成奨学金」は、学部1年〜4年生、大学院1年〜3年生の成績優秀で修学意欲のある学生を対象としたもの。この奨学金を利用し「養源寺子ども食堂」をオープンした臨床心理学科4年(取材当時)の大畠花帆さんに話を聞いた。「1年生の時に子ども食堂に訪れたことがきっかけで『自分でもやりたい』と考えましたが、実現へ一歩踏み出すことを躊躇していました。そんな私の背中を押してくれたのが人材育成奨学金です。地域の方々の協力もあり「養源寺子ども食堂」をオープンし、保護者の方から相談を受けたり、他学科の学生がお手伝いに来てくれたりと、この活動が受け入れられたことがやりがいにつながりました。運営をする中で、将来は子ども食堂を続けながら、福祉領域で活躍する公認心理師になりたいという夢も見つかりました」。

大学での挑戦は、成功はもちろん失敗しても自分の糧になる。大正大学の奨学金を利用して、あなたならどんなチャレンジをするだろうか。

将来をヒモトク

就職率97.3%の「就職実績」

就活を一人にしない。させない。
将来の選択肢を一緒につくる就職支援。

就職率97.3%(2025年3月卒業生)という高い実績と満足度を実現しているのは、学生一人ひとりと向き合い続けるキャリアサポートだ。

将来の選択肢は、知っていることからしか選べないが、学生一人では調べるのに限界がある。そこで3年次に「全員進路面談」としてマンツーマンで志望と適性をしっかりと把握し、キャリアセンタースタッフが志望に沿った選択肢を一緒になって探していく。他にも、直接採用担当者の話が聞ける選考付きの「業界・企業研究会」や、企業のニーズを捉えて学生と企業のミスマッチを防ぐ、職員による企業訪問など、自分らしい将来に進んでいくために多くの取り組みを行なっている。

実際にサポートを受けた学生からは「就職支援が早くから始まるので、他大学の学生よりも先んじて就活モードのスイッチを入れることができた」「エントリーシートの添削や面接対策など的確に指導してくれた」「面談から学生の将来を真剣に考えていることが伝わってきた」など、信頼する声が多く聞かれた。

キャリアセンターのコンセプトは「一人にしない/一人にさせない就職支援」。この言葉からも、学生一人ひとりを大切に、悔いのない就活を行なってほしいという思いと、最後まで支えていく覚悟が感じられる。

全員で合格をめざす「公務員対策」

全国で活躍する卒業生が証明。
公務員試験の特別プログラムが合格に導く。

大正大学は毎年多くの公務員就職実績を誇り、卒業生が日本中で活躍している。これまで、特別区(板橋区、足立区、北区、墨田区、豊島区など)や、横浜市、川崎市、千葉市、松戸市、帯広市、取手市、日光市などで合格者を輩出。この成果を支えている強みの一つが公務員試験の合格に向けた特別プログラムの存在だ。行政に携わるために必要な知見の修得はもちろん、近年増加している人物重視傾向の試験対策までをカバーする。

二つめは、現職の市長や公務員の方から直接話を聞く機会が多いこと。地域が置かれている現状を知り「公務員になった後に自分が何をしたいのか」を考えるきっかけづくりをしている。

三つめは、同じ夢を持つ仲間に出会えること。2024年3月に歴史学科を卒業し、台東区役所でケースワーカーとして働く中村聡美さんは「公務員試験の勉強は長期にわたるため、途中でモチベーションが下がることもありましたが、仲間がいたおかげで『私も頑張ろう』と思い直すことができました。また、2か月ごとのキャリアセンターの面談では、学修の進捗が遅れがちな私を、具体的なアドバイスで励ましてくれたので、合格への大きな支えとなりました」と話す。特別プログラムは、単なる公務員試験対策だけでなく、公務員として働くための姿勢についても実践的に学ぶことができる。

社会を動かす起業家へ「TAIS PITCH CONTEST」

理論×実践の中で感じた自分の思いや視点を、
起業につなぐコンテストとは?

教室で理論を学び、フィールドで実践を重ねる。その旅の中で生まれた自分の関心や問題意識を、事業アイデアとして磨き上げ、起業へ踏み出すきっかけにできるとしたら、それは将来を考えるうえで大きな意味を持つ。

大正大学の「TAIS PITCH CONTEST」は、学生たちの「こんなサービスがあったら」「地域や社会のこんな課題を解決したい」という思いを事業化につなげる機会となっている。最優秀賞受賞者には、実現に向けた支援金も提供され、起業を強く後押しする。

2025年は、応募総数26組から5組のファイナリストに絞られ、最優秀賞には「全国の若者と新潟県南魚沼市との人材マッチング&人材育成事業」が選ばれた。受賞した地域創生学科4年(取材当時)の田中さんは「起業を考える自分にとって、実際の起業家から実践的なアドバイスをもらえたことが、ビジネスプランの今後の方向性を考える良い機会になりました」と語る。田中さんは受賞後、一般社団法人yukinowaを立ち上げ、南魚沼市の未来の担い手となる人の可能性や選択肢を広げる事業に取り組んでいる。

そこには、地域や社会の課題を自分ごととして捉え、学びを実践へとつなげながら、自ら行動を起こしていく「地域戦略人材」の育成をめざす大正大学の姿勢が表れている